「ITコーディネータ」という肩書で仕事を始めて、そろそろ本格的に顧客開拓を始めようと、参考になる本を探してみた。起業関係の本やブログはたくさんある、「1人の出版社」についての図書館の検索で調べて4冊借りて読んでみた。「ひとり出版社という働き方:西山雅子」、「日本でいちばん小さな出版社:佃由美子」、「あしたから出版社:島田潤一郎」、「ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏:岩田博」の4冊であるが、出版特有の手続をどう身に着けていくのか、編集作業、出版特有の経理処理など、始めなければわからないことを習得する苦労が細かに書かれていて参考になる。しかし、どのケースも収益には苦労している。岩田書院は、細かな決算の数字を公開しているが、会社勤めであれば難しそうなくらいの長時間労働で、それでも利益を上げるのに苦労している、ホームページに費用が月次で10万以上というのが少し気になったが、学術書専門なのだからWebで検索して購入するケースは多いような気がしてくる。書店を通じないで、ネットだけでオンデマンドの出版では難しいのだろうかなど思ったが、実際はむずかしいのだろう。

他にも、復刻版を出版するのに、Twitterで拡散したり、ITを利用して既存の出版にチャレンジする方策はありそうだが、一番の問題はコンテンツなのだ。

みしま社は、取次を通じないで直接書店に販売していく方式、パソコンで言えばデルダイレクトのようなもの。それでも出版業界では、コンテンツが売れ行きを左右する、音楽やゲームソフトと同じようなもの、良質なコンテンツを集めるのは資金力が必用、特に判断が難しい文学などは、文学賞でコンテンツを集めて、評価する仕組みが必要なのだろう。