システムの進化を3つの方向から考える、古典的ともいえる考え方になります。縦軸にマネジメントサポート、横軸にオペレーショナルサポート、斜めに外部とのコミュニケーションをとらえて考えていきます。この3つの軸から、システムの進化、拡張していく方向性を考える一つの目安となります。以下では、会計システムを例にして考えてみます。

オペレーションサポート

業務処理を支援するという機能で会計システムの進化を考えてみますと、会計システムの原型と、伝票を集めてこれを入力、決算に必要な処理を遂行するところから始まりました。原材料などの購入に関わる買掛金、販売代金に関わる売掛金、固定資産を管理する固定資産管理システムなども個別に開発され、システムの性能が高まるとともに、これらが統合されていきました。統合された会計システムとしての進化といえます。さらに、

さらに経理以外の購買、販売システムとつながってきたことがあげられます。これにより、システムとしてカバーされるエリアが拡がり、さらに買掛データを一般会計システムに入力するということがなくなりました。

インターオーガナイゼーショナル

外部とのやり取りという面では、当初の会計システムは、銀行とのファームバンキングくらいが範疇でした、やがて連結決算が制度化され、大企業を中心にグループ全体で同じシステムを利用する、連結決算システムでグループ企業が結ばれる形へと進化していきました。さらに、インターネットの進展により、電子商取引で売買されたデータが会計システムにつながることも珍しくなく、企業グループ外と間接的につながってきています。

意思決定サポート

いわゆる情報系に観点から経理システムの変遷をみてくると、やはり初期のシステムは非常に限られた機能でありました。しかし、EXCELなどが進化、経理システムに格納された財務情報を主として経理部の担当者が加工、編集し活用できるようになりました。昨今のように不安定な経済環境のときには特に、グループ会社トータルでの特定取引先との債権債務の情報調査などのニーズも高まり、ミドルマネージメントをサポートするような機能も高められてきました。

最近では、経営者がリアルタイムのデータを自身でシステムを操作して取得、分析するような連も珍しくなく、エグゼクティブサポートの機能を充実するニーズも高まっています。

今後、人工知能の活用など、さらに意思決定支援の機能は充実していくでしょう。