インターネット経由で利用できるアプリケーションが充実したきた昨今、ゼロから開発することは極力避け、既存のソリューションを利用することが非常に多くなってきた。そのため、ソリューションの選定を誤ると、企業の業務に大きな支障を生ずることになり、ベンダー選定はいっそう重要なタスクとなっている。

英語で進めるITプロジェクトでのベンダー選定について参考例として、ハーレイダビッドソンのSCMプロジェクトが、McGRAW-HILLのCorporate Information Strategy and Management Sixth Editionに掲載されている。最初にプロジェクトチームが結成されてる。

Sponsorsとして、調達とITのトップが、この二人に3人を加え、5人のSteering Committeeが結成され、この下にプロジェクトチームが12人のメンバーで編成される。最初に、現行プロセス、システムの分析をAs-Isとして実施、次にあるべき姿のTo-Beプロセスを定め、これをもとにして、functonal specificationを要求仕様として定め、Steering Committeeの承認を得て、ベンダー選定に入る。あらかじめ、リストアップしたベンダーに、RFQ(Request for quote)を先のWritten functional specificationとともに送る。RFQは、見積もり依頼、価格の提示を求めている。

ハーレイからの説明会に、応札予定のベンダーが集合、要求仕様の説明などを実施、質疑応答を行う。

定められた期日に8つのベンダーから a response to the RFQ and a completed self-evaluation checklistが提出される。このなかから3つのベンダーが選定される。QuantitativeとQualitativeという2つの指標、日本語だと定量的な評価と定性的な評価ということになるか。

定量的な評価は、ベンダーから提出された数値を利用して行われている。以下は、選定された3社のQuantitative評価表、ベンダーから提出された数値を転記している。

Qualitativeの評価表は、ハーレイ自社で作成、以下になる。

L=low; M=medium; H=highの3つの指標で、ハーレイが定めた項目の評価を実施している。ソリューションそのものよりもベンダーの総合的な評価を実施している。

さらに、3社について会議で議論を重ねていく。そして、3社からのデモならびにプレゼンを実施、最終的なベンダー選定を実施する。プレゼンの後に、社内での議論を重ね、評価を定め、最終的に1社に絞っていく。これを、ステアリングコミティチィーに報告して承認を得るという手順で、ごく一般的なものと考えられる。